ストレングス視点で考える ― 2011年01月29日 13時49分23秒
半身まひの妻さんを
夫さんが介護してるのだけど、
夫さんのイライラが高まると(キレると)、
妻さんへの言葉が、厳しくなってしまって。
「リモコンをベッドの下に落としたから、
呼び鈴で私(夫さん)を呼んで、
『ちょっとしたことで呼んで、ごめんなさい』と、
ごめんなさいが、言えないんですよ」
とか、
「だから、お前の実家も、きょうだいたちも、
ダメなんだ。
お前のきょうだいたち、バラバラじゃないか」
とか、
「今」についての、ちょっとした不満の言い合いから、
夫さんは、
これまでの不満を一気に言ってしまうものだから、
妻さんは、いじけてしまう。
「そんな家族のことを言われたって、仕方ないじゃない。
いじめられてる感じよ。
私は虐待されてると思って、
次、もみじさんが来た時、相談しようと思っていたのよ!」
と泣きながら、怒りをぶちまけたのが、先月。
たしかに、退院時が一番、元気だった。
徐々に、徐々に、元気ダウンして、
デイもどんどん休みがちになって、
はっきり言えば、うつ傾向。
システム論で考えると、
寝室にいる妻さん(高次脳機能障害あるかも)が、
色々なこと(トイレ介助とか足が痛いとか)で夫さんを呼ぶ。
↓
妻さんがしょっちゅう呼び鈴を鳴らすのでイライラしがち。
「呼んで、ごめんなさい」を言うよう、妻に求める。
特に夕方以降の晩酌でほろ酔い気分時に呼ばれるとキレる。
↓
般若のような形相の夫さんに介助されて妻さんが、
「そんな怖い顔しないでよ」
と言うと、「お前が『ごめんなさい』と言わないからだ!」
とさらにキレる。(たまにベッド蹴ったり)
↓
妻さんが、うつ気味になって、デイを休む。
↓
夫さんの不満は溜まる一方。
でも「自分が怒るからいけないんだ」とも思っている。
↓
寝室にいる妻さん(高次脳機能障害あるかも)が、
色々なこと(トイレ介助とか足が痛いとか)で夫さんを呼ぶ。
↓
以下、くりかえし
みたいな感じ。
ま、他のシステムの見立てもできるけど、
ひとつのシステム例としては、上記なかんじ。
この状態が、もう一年以上続いているので、
どうしたものか、と思っていた。
ショートを組んでも、
直前に妻さん、熱が出てキャンセルになるんだよねw
共依存の傾向もあると思われる。
夫さん、優しい時は、めちゃくちゃ優しいし。
昨年秋は、妻さんの落ち込みがひどくなってきたので、正直、
心療内科に診てもらってもいいかも、、、
と思ったりして、
夫さんに、受診を勧めたりもしてみた。
けど、夫さんは、
自分自身で考えたことのみを実践する方。
丁寧に丁寧に、
「なるほどー、なるほどー、そうですか」とは聴いてくれるが、
こちらからの提案で行動されたことはなく。
正直、どうしたら今の悪システムに、
変化を起こせるか
というところで、
スタックしてました。
なぜ、スタックしていたか。
夫さんが、「介入」を望んでいないことが解ってたから。
夫さんのこれまでのヒストリーを考えれば、
「人に助けてもらう」
を、一番したくない方。(たぶん)
で。
ここが、今回、自身の学び(笑)
この夫さんは、
「人に助けてもらう」「手伝ってもらう」のは「嫌だ」という価値観、
「家の困りごとを相談するのを恥ずかしいと考えている」、
そんな人なんだな
というところまで、自分でアセスメントしていたのは、いいが、
その先。
「そういう人なんだな」と、
表面的には専門職っぽくアセスはしているが、
その先、
「そんなご主人さんって、完璧主義で、
何でも自分の思い通りにしたがって、ええかっこしいで、
妻に「ごめんなさいと言え」って強要したり、
困った人だなぁ」
と、自分、無意識に、
ご主人のことをディスカウントしてたんですね。
最近、家族心理学の本を読んだり、
乃木坂スクールでの事例検討を思い出したりして、
援助者の「価値観」や「評価」、
無意識の「価値観」について考えていたら、
自分は、このご主人のことを
知らず知らず、ディスカウントしていた
ということを、覚知しました。
未熟者ですねぇ・・・
それを自覚したことで、
視点を変え、
夫さんは「家族の在り方」ということを大事に思っている方なんだ、
とか、
礼儀を重んじる方なんだ、
とか、
ストレングス視点でご主人を見る
ということを意識して、
今月、訪問して、お話を伺いました。
そして、
今まで自分は、
「ご主人は本当に大変な介護をされているんですよ」とは、
数え切れないほど、伝えてきたけれど、
一度も伝えたことがなかった言葉、
「ご主人は、『家族』ということをとても大事に考えていらっしゃるんですね」
と、伝えたのだ。
こういうセリフを言おう、と思って言ったのではなく、
夫さんはこういうことを大事に考えている人なのだな、
と自然に思って、自然に出た言葉。
さらに、
ショートのことも改めて検討しようと提案し了承を得た。
で、
何がどう影響あったか、わからんけど、
訪問翌日、夫さんから、
「自分もおとなげないところがあった。
一歩引いて、女房の介護をしていこうと思う。
昨日は心配かけて、すんませんでしたー!」
と、電話をいただいた。
簡単には、良システムには、ならないかもしれない。
これからも、すったもんだ、きっとあるだろうけど、
でも、
* うまくいっているのなら、変えようとするな。
* もし一度やって、うまくいったのなら、またそれをせよ。
* もしうまくいっていないのであれば、違うことをせよ。
(ブリーフ・セラピー、ソリューション・フォーカスト・アプローチ)
これで、やってみようと思います。
家族は、解決のために、努力している人たち、なのだ。
by もみじ momiji_okiraku*yahoo.co.jp *を@に変えてくださいね
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コメント
_ Maa-chan ― 2011年01月29日 16時03分41秒
_ もみじ ― 2011年01月29日 16時31分47秒
コメントありがとうございます。こちらこそ、お世話になっております。
クライアントをディスカウント・・・
これが、自分のこの、この思考が、ディスカウントだ・・・
と気付いた時の、とほほ感は、140字では表現しきれませんでした(笑)
しかしながら。
「クライアントをディスカウントせずにみる」の、
「クライアント」を「他者」に置き換えて実践することが、
実践者には重要なことかな、とも思ったりしているところです。
簡単に言ってしまえば、人の悪いところにフォーカスしないで、良いところにフォーカスする、ですかね。
昔から言われてることかもしれませんが、これの実践は、言葉ほど簡単ではないなぁ、なんて感じています。
自分自身を承認できていないと、他者を承認することができないから。
ずっと精進です(笑)
Maa-chanさんから、超特急のコメントいただいて、
とても嬉しかったです。
ありがとうございます。
エネルギー充填、できました(笑)
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無意識にクライエントをディスカウント,って私も痛いですね。きっと今もそうやっている可能性は十分あります。
それに気付いておられるmomijiさんは,それだけで未熟ではありませんよ。
私も,SFAをきちんと勉強して,常にストレングスを見ることができるようにならなければ,と思っています。